歯科口腔外科
ORAL SURGERY歯科口腔外科
とは?
歯科口腔外科とは、親知らずやあごの骨の中に埋まっている歯の抜歯、できものの切除、お口の中のケガの治療、歯が原因の感染症の治療、口腔癌の判別、顎関節症の治療などを行うことです。
一般歯科よりも治療が広範囲にわたり、かつ、難病例(抜歯が困難な症例など)や口の中だけでなく、顎や顔面、それらに隣接する組織の疾患にも対応をしなければなりません。よって、一般の歯科医院では治療が難しく、総合病院を紹介するケースが多い診療科目です。
当院の特長
当院では口腔外科の認定医が在籍しておりますので、他院で抜歯が難しいと言われた方も一度ご相談ください。失われた歯を補う場合、歯牙移植という方法も選択肢にあります。
お口にできた出来物の除去や、舌の小帯の切除など小手術は日帰りで当院にて行うことができます。もちろん、重症例や難症例の場合は、速やかに大学病院や総合病院の口腔外科を紹介させていただきます。当院では総合病院と連携をとりながら治療を行っておりますので、ご安心ください。
症例
CASE歯牙移植
歯牙移植とは、自分の歯を別の場所に移植する治療法です。親知らずなどの噛み合わせに関係していない健康な歯を、歯が抜けた部分に移植します。
メリット
- ブリッジのように両隣の歯を削る必要がない
- 義歯よりも違和感が少ない
- インプラントとは異なり、自然な歯の機能を生かせる
- 天然の歯を使用するため、人工歯では再現できない自然な噛み心地が得られる
デメリット
- 移植する歯と移植先の歯の形や大きさが一致していないと治療が受けられない
- 歯周病が進行した状態で抜いたところの骨が失われてしまっている場合には困難な場合もある
- 移植した歯の生存率(寿命)は約5〜10年といわれており一生もつものではない
治療の流れ
- 移植先の準備
- 親知らずなどの移植する歯の抜歯
- 実際の移植手術
- 移植された歯の安定を図るため、移植先の歯根の治療や必要に応じて詰め物などが行われる
小帯切除術
小帯切除術とは、口腔内の小帯を切除したり、移動したりする手術です。歯並びや発音の改善を目的として行われます。
主な目的
- 歯並びの改善:歯の正しい位置への移動を妨げる小帯を切除することで、矯正治療の効果を高めます
- 発音の改善:舌小帯が短い場合、発音に支障をきたすことがあります
手術の流れ
- 小帯の周囲に表面麻酔を行う
- 局所麻酔を行う
- 小帯を引っ張り、固定した状態にしたら、小帯に切れ目を入れて硬い組織を切除する
- 切った部分を縫合し止血を行う
手術のリスク
出血や感染のリスク、癒着や再発のリスク、舌運動や発音の変化
費用
基本的には健康保険が適用されますが、例外もあります
術後の経過
- 2~3日の間は、傷口に痛みが生じやすいです
- 縫合した糸がチクチクと痛むこともあり、場合によっては食事や発音などに影響が出ることも考えられます
舌小帯切除術
舌小帯切除術は、舌の下にある小帯を切除する手術で、舌小帯短縮症や舌癒着症などの舌小帯異常を治療します。
手術の方法
- 局所麻酔を行い、舌小帯に切り目を入れて切除します
- 傷口を縫う場合と縫わない場合があります
- 出血はありますが、ガーゼで圧迫して止血します
手術の時期
- 就学前までに、ベロの舌小帯が短くてハート舌になる場合や発音障害が認められる場合に切除します
- 生後1年未満であれば日帰り入院で行う場合もあります
手術後の注意点
- 術後は口内に傷口が残っているため、刺激の強いものや硬い食べ物の摂取は控えます
- 再癒着防止のために舌のストレッチを行います
- 痛みが強い場合は鎮痛剤で対処することができます
手術のリスク
- 出血や術後の感染リスクはゼロではありません
- 再癒着する可能性があります
腫瘍・嚢胞切除術
歯科のできもの(腫瘍や嚢胞など)を切除する手術には、外科的切除や歯根端切除術などがあります。
外科的切除
- 腫瘍や骨隆起、良性腫瘍(線維腫や血管腫、脂肪腫など)を切除する手術
- 腫瘍が大きくなる前に摘出することで、再発リスクを抑えられる
- 局所麻酔下で行われ、腫瘍とその周囲の一部組織を切除する
歯根端切除術
- 根尖病巣が感染根管治療では治らない場合、病気を外科的に直接切りとる治療
- 根切やアンプタ、アピコとも呼ばれる
- 術後は痛みや腫れが生じる可能性が高いため、抗生物質や鎮痛剤を処方する
粘液嚢胞の手術
- 唾液腺が切れたりすることでできる水泡状の腫れ物に手術で切除する
- 原因となった唾液腺を粘液嚢胞ごと切除する方法
- 局所麻酔で行えるため入院などの必要もありません
口腔の病気には虫歯や歯槽膿漏だけでなく、粘膜疾患や顎の骨の中に生じる嚢胞や腫瘍など多種多様の病気があります。少しでも違和感を感じたら、早めの受診をお勧めします。
顎関節症
顎関節症とは顎の筋肉・関節・骨に何らかの原因で炎症やズレなどが起こり、痛みや音が出る病気です。
原因
- 噛み合わせの悪さ
- 姿勢の悪さ
- ストレス・疲労などによる筋緊張
- 顎関節・咬筋への過度な負担
- 先天性の関節構造
- 外傷性によるもの など
複数の要因が重なり顎関節症の原因になっていることもあります
症状
- 顎に痛みがある
- 顎開閉時の音が気になる
- 口が開閉しづらい など
また、顎関節症が原因で起こる副症状も併発することがあります
- 頭痛・腰痛・歯痛
- 噛み合わせの違和感
- 歯肉炎・歯周病
- 肩や首のこり
- めまい・目の疲れ
- 耳鳴り・耳詰まり
- 鼻詰まり
- 喉の違和感・嚥下障害
- 顔面神経麻痺 など
顎の痛みを感じて、上記の症状がある場合には、必ず、ご相談ください
検査
まずは、上記の症状の確認のため、視診・触診・問診を行い、必要があればエックス線検査(パノラマ・CT)で症状の確認を行います
治療
- 顎の骨や咬筋への過度な負担がみられる場合
→マウスピースを使用した治療を行います - 噛み合わせや歯並びが悪く顎関節症を引き起こしている場合
→歯列矯正をご紹介いたします - 咬筋や咀嚼筋など顎まわりの筋肉にひどく緊張がみられる場合
→筋肉をほぐす治療もあわせて行います
セルフケア予防法
日常の生活の中で、下記の項目を意識したセルフケアを行うことで、顎関節症を予防することができます
- 顎への負担をできるだけ減らす
- 顎に負担がかかる癖はやめる
- 悪い姿勢を正す
- ストレス・疲労を溜めない
- 顎の筋肉をほぐす
ご安心ください!
顎関節症は男女問わす、誰しもが起こりうる疾患です。長年放置すると顔や体の歪みにもつながり、上記でご説明しました多数の副症状も引き起こします。辛い症状を我慢せずに、顎に違和感を覚えたら、早めに当院にご相談ください。
よろしくお願いいたします。